過去ログ 第一~五回
第五回「宅配DVD」
ネットで注文して2枚ずつDVDを借り出し、返却すると次の2枚が届く、
というサービスに登録しました。
サービス開始当初から興味はありましたが、
今の仕事は好きなときに映画でもレンタル店でも行けると見送っていました。
甘かった。
あまり家から出ないから、気がついたらお勤め時代より映画見てない。
マズイ。
無料期間がある大手業者を2つ並行して試していますが、
使い勝手が一長一短で迷います。
見たい映画を選びやすいA社は配送が遅め、新作が軒並み貸し出し中。
新作が豊富で物流の信頼性が高いB社はサイトの機能に不満あり。
うむむむ。
映画常識的に評価の高い名作を「難しい」「意味不明」
と切って捨てるレビューが目立ったのが意外な収穫でした。
「嫌い」「つまらない」ではなく、「分からない」と胸を張る論調です。
昔は分からないと言ったら小さくなったもんだけど。
そういう人たちが堂々と数十数百のレビューを出している。
こりゃ市場的に無視できない勢力かと、
数人の評価リストを追跡してみました。
共通して高評価なのは、
本来子供向けに制作されながら大人も魅了した作品です。
プロットは単純明快でなくてもいいみたいなので、
つまり漢字の多用がダメってこと?それって字幕の責任、大きいな…
さて、売れ筋商品は山積みだけど個性的に光るものを探しにくい大型店と、
ここの店長はデキるというサンプルが並ぶけど
入荷待ちも多いセレクト・ショップと。どっちにしようかな。
第四回 「日本語字幕の発見(2)」
日本語字幕は脚本をなぞるようなもの、と前回書きましたが、
裏取りが要らないわけではありません。消えて久しい流行語が曲者です。
映像のおかげで意味はなんとなく分かるけど、
念のため調べたら、戦前の差別表現だと判明した言葉がありました。
某知事がときどきポロッとやって非難を浴びる類の言葉ですから、
危険・要注意!と申し送りました。
流行歌やCMソングはよくギャグや伏線に利用されますが、
台本に歌詞がないことが多いです。
制作当時は誰でも知っていたからでしょうが、
鼻歌や雑音交じりで聞き取りにくいこともあります。
ヒット曲でも歌詞を間違えて覚えていることがあるし、
裏取りしたほうが無難です。
BGMも効果音のように使われている場合は(音楽)とハコを切ります。
演出次第で(ラップ)(オーケストラ前奏)等、説明を足すこともあります。
ミュージカルでもないのに、主人公が歌う映画もありました。
一種の演出か、単に歌えるヒーローがカッコよかったのか。
歌詞はたいてい台本にあるし、
昔の歌はテンポがのろくて突拍子もない言葉は出てこないので、
聞き取るのもさほど苦労じゃありません。
これまで一番参ったのは謎の南洋語の歌でした。
台本には「歌」とあるだけでなのに主人公が朗々と
♪ヤエアモ・ナイアイ・ポニキセ・アレワイナ…ナンダカワカリマセン。
幸いあまりにも謎すぎて、
カタカナ聞き取りのハコにクレームはつかなかったようです。
第三回 「日本語字幕の発見(1)」
ときどき古い日本映画に字幕をつけるお仕事を頂いています。
主に聴覚障害者向けに、セリフと効果音をぎっしりハコ切りします。
例えば;
「チクショウ やったな このヤロウ!」(ガラスの割れる音)
「よせ!やめろ!」(悲鳴)(殴る音)(パトカーのサイレン)
「ご迷惑をかけまして・・・」(ため息)
セリフに加えて効果音を切るのは演出の勉強になります。
効果音は状況説明や感情表現として、ときにセリフよりも雄弁ですから。
日本語字幕が欲しいといわれる映画は大ヒット作品だから、
当たりを取った脚本をじっくり読み込むことになります。
最近はやりの、名文を鉛筆でなぞる本みたいでしょうか。
それをお金を頂いてやるような、お得感あり。
60-70年代の娯楽映画には、
数年前のインド映画のようなムチャクチャなパワーがあって、
大いに笑いました。
共通項は高度成長の楽天性か?
団塊世代の上司の寒い言動の原点はこれか、
という当時の男性スターの演技に笑いが止まらなかったこともあります。
でも私の世代の管理職はたぶん特撮ヒーローやガンダムの色が出る・・・?
痛さではいい勝負かも。
一方、性犯罪に対する目線が甘いのが気になりました。
時代が古いほど普通の女学生やOL役の女優が妙に水商売臭いのは、
監督の交際関係のせいかもしれませんが、
感覚のズレやセクハラの原点も見え隠れします。
なかなか文化史・女性史的な考察のタネがありそうです。
第二回 「満喫・シザーハンズ」
先日、久しぶりに舞台を見ました。
ジョニー・デップの映画をマシュー・ボーンがバレエにした
「シザー・ハンズ」です。
事前に“映画をなぞっただけで新味がない”旨の否定的な劇評を見ましたが、
実際に見て、映画をなぞったから分かりやすくていいと思いました。
バレエは予習しないと話の展開が読めないこと多いし。
第一、ジョニー・デップはこんなに踊れない!
2時間弱の舞台が短く感じました。
幕が下りると満席の観客が次々に立ち上がり、
スタンディング・オベーションが10分近く。
出演者全員が並ぶお辞儀だけで、30回はやったのでは。数えてないけど。
拍手が鳴り止まないので、照明を消してはつけ、消してはつけ、
お辞儀・拍手・お辞儀・歓声・お辞儀・拍手・・・
とうとう下りてきた幕に合わせて出演者が一緒に腰をかがめ、
寝そべり、床に這って手を振るおちゃめぶり。手が痛くても、うれしくなります。
少数派の男性観客ウォッチングも楽しめました。
奥さんに引っ張られた風の人が多いけど、
あのヒップは絶対ダンサーという人と、おしゃれな年配紳士は1人でした。
(何者?振付師?業界人?単なる趣味人?)
そう、映画館より面白そうな人が来ているのが劇場でしたっけ。
また何か見に行こうっと。
第一回 「お役立ち!ノベラゼーション」
先日翻訳したDVDの特典映像で、ある単語にウンウンうなりました。
英語台本と耳で聞く音声が違う上に、両方とも意味不明。
映画の内容で
「xxxのため都会へ行った」という文脈で、xxxが分からないとお手上げです。
最近の公開作品だったので、まだレンタルDVDはなく、
好きそうな知人も見逃したというし、公式サイトのあら筋紹介にも情報なし。
何か引っかかれーと検索をかけたら、
ノベラゼーションの翻訳本があると分かりました。
この際、買うしかない!
大手書店数軒に問い合わせ、在庫があった店に取りおきを頼んで
アタフタ出かけ、帰りの地下鉄の中、プチ切れしました。
「発音違うだろ!」実はなじみのある地名で有名な団体の通称だったのです。
外国人がちょっと違う発音をしただけで台本起こしたネイティブもだまされた。
あーあ、立ち読みで十分だった・・・と思いましたが。
やっぱり買ってよかった。
映画とタイアップしている本なので説得力ある資料になるし、
複雑な背景や登場人物の心情も、ていねいに説明されています。
映画本編を見てこれだけのことが読み取れるかな?というぐらい。
おかげで、他にも2-3箇所、微妙な修正を入れることができました。
文章が単純でさっと読めたのも仕事用には助かります。
未見の映画には特に有効そうです。

