過去ログ 第六~十回
第十回「職業病?」
高速道路を走るのは週末が好きです。族でも走り屋でもなく、峠でドリフトもしません(できません)が、平日の高速をご機嫌で走っていると営業車がさっと譲ってくれて(ああ、バカと思われた)と落ち込むので。でも、前が空いていると、つい。180以上でカッ飛んでくる車にあおられたら受けて立ち・・・いえ、近頃は先に行かせます。バーカと思いながら。
だからカーアクションの時速はおおよそ分かります。「タクシー(1)」の主人公が最初に飛ばし始めたとき(これは本物だ、100、120、140超えた)とつぶやいたとたん、画面の警官が「140キロ」とスピードガンを読み上げたし、幼いアナキンがスピードに強いと賞賛されたレースも(たかが120そこそこで?)とつぶやいて隣にいた友人のヒンシュクを買いました。もっとも、あのコースは整備されたサーキットじゃないか。
世間にはこういう人が結構いるせいか、最近の映画では運転中の俳優はあまり映さないようです。レーサー級のスタントが転がす車を外から写した映像ではセリフがほとんどなくて、字幕もないので、ワクワク&気が休まります。
字幕翻訳の勉強を始めた頃からしばらく“字幕強迫症”というか、洋画を見ながら(今の訳はうまい、今のはちょっと違う)という疲れることをやってました。今は音声に集中しヒアリング力を磨こうとしてますが、これも結構疲れます。吹替えとアクションが前より好きになりました。
第九回「掟破りの字幕」
暮れの紅白で何に驚いたって、ボディスーツ(肉襦袢は死語だったか)より、歌詞の字幕です。NHKルールは1行11文字じゃなかったっけ?送り仮名もNHK用語辞典と違う!極めつけは字幕に句読点!!!
まあ、歌詞は著作権とか、正当な理由はあるのでしょう。気に障るのはバラエティ番組や一般人インタビューに最近目立つ、掟破りの字幕です。秒数の割に文字数多い!表記が音と違いますけど?要約でニュアンス変わってない?スポッティングがずれてるぅ!1行ごとにチカチカ入れ替えてネオンサインじゃないってば!
そんな掟破りの字幕でも、最近耳が遠い家人には重宝なんだそうです。訓練されたアナウンサーと違い、素人さんの発音は不明瞭だったり訛りがあったりで聞きづらく、聞きなれない流行語や横文字の理解の助けにもなるとか。高齢者対策?にしては、あざとかったり不正確だったり、文字放送のレベルには遠いんでは。
どうも掟破りの字幕はあくまで演出、マンガのふき出し/週刊誌の中吊り、スポーツ新聞の見出し感覚。(これがポイントだからね)と念を入れるために、つけるものらしい。せめてON/OFF機能をつけてほしいけど、演出の一環じゃ無理でしょうか。
字幕は脇役、主役は映像と教わりました。しかもDVDなら字幕OFF機能つき。この奥ゆかしさがいいんです。ウルサイと言われない字幕、控えめだけどビシッと決めてすっと消える、一流の執事みたいな字幕が理想と思うのですが。
第八回「新年の抱負」
今一番の課題は健康管理でしょうか。
自宅仕事はどうしてもヒッキーになりがちで、中年太りが加速中。
オシャレ着が入らなくて真っ青になり、近所のスポーツクラブを見学したきりなのに再挑戦の予定です。いつも車で行くスーパーに歩いていき、毎週床磨きしろという声もありますが。
それと週に1度、せめて毎月2回は繁華街へ行かなきゃ。
行列と人込みは前から大嫌いだけど、新聞やネットでは分からないことも多いです。地下鉄の座席に並ぶ7-8人がいっせいに携帯をいじる様子だって新鮮でした。
2年前の通勤時は1人か2人だったもん。カフェの隣の席からへえっという話題が聞こえたり、人相風体を観察して、こんな感じの人は最近こんな風にしゃべるんだと感心したり、取材だか張り込みだか?
会社勤めの間は様々な分野で最先端の同僚から情報が取れたけど、
今は個人営業ですから、社会見学のつもりでときどき出歩こうと思います。
現場の情報が聞ける各方面の友人知人も大事にしよう。この人が知ってたら常識、というような基準値になってくれる主婦や学生も貴重です。1人でする仕事だけどエンドユーザーは人間だから、人を大事にしよう。
で、作業は基本に忠実、手を抜かない。ちょっと自分に甘くすると確実にミスが増えるってことが分かりましたから。何も考えずにスイスイとはいきません。
OL時代だってそうなるまで10年かかりましたもんね。
第七回「ドキュメンタリー(2)」
先日ある病院で、ほとんどSFな“コントロール・ルーム”を見学しました。
自分でもハイテクな精密検査で仮面ライダーに改造される気分を
味わったことがありますが、最新設備の治療室と、
その機器類は“ミクロの決死圏”より“スタートレック”のイメージ。
メスを入れずカテーテルを使う治療がCTスキャン動画モニター実況中継。
数年前なら手の打ちようがなかったはずの患者が、
負担の少ない治療のおかげで、翌日は、グルメにお芝居、
お買い物。これじゃ難病ドラマは成立しない・・・。
でも医師不足とか医療ミスとか、病院格差があるのも事実のようです。
待合室で聞こえてくる患者同士のおしゃべりの内容も、
医学的な常識や不安の程度が、病院によってかなり違います。
病院側がきちんと説明をしているかどうかなのか、
自ら名医を探してたどりついた“プロの患者”かどうかで差がつくのか、
微妙ですけど。
何が言いたいのかというと、医療に限らず、専門分野の一般常識は
どのあたりに設定すべきなのか?どこまで省略・補足すべき?
訳が正確でも「分かんない」と言われてはドキュメンタリーを訳す意味ないし、
簡単にしすぎてポイントを外すのも怖いし。
悩ましい点ですが、理想は大手予備校の名物教師かな。
分かんない公式も分かった気にさせる、あれ。
予備校に偽生徒として潜り込むのはもう無理だし、
高校生の親には若すぎる(ハズ)だから見学は難しいけど。
まずは耳障りのいい自然な日本語、ですかね?
第六回「ドキュメンタリー(1)」
海外ドキュメンタリーには秀作が多いので、仕事ですから、
未知の世界をタダで見られるのはラッキー♪
硬派な政治・社会問題や動物の生態、先端技術、民族文化、歴史紀行…
海外で放映されたうちから選ばれた作品だから、
ハズレはまずありません。
へえー、ふーんと思いながらの作業が最大の魅力です。
ただ、お仕事としては甘くない。
“誰でも知っていること”ではない単語1つに苦しみ、
消化不良の日本語になりがちな小難しい解説の訳に頭をひねります。
耳慣れない専門用語は定訳があるか調べ、
ない場合は誰の訳語を使うか、研究者や大学、
企業等の資料を当るのが大変です。
よさげな訳語が見つからないと適当な造語をデッチ上げるか、
カタカナ表記かの決断。怖いので、なるべく代案もつけますが。
とはいえ、昔、外人上司のぶっ飛んだ質問の答えを求めて
役所や図書館を生身で駆けずり回ったことを思えば、
ネットは夢のツールです。資料の信頼性を判断するのも修行のうち。
本だって間違いはあったもんね。
まあ、まとまった量の文章を読む&筆者の身元確認が基本でしょう。
学習したのは、強い分野だから良い訳ができるってものでもないこと。
私は西洋史が得意ということになっていますが、
かえって(この地名・人名をポンと出して大丈夫?解説要る?)とか迷います。
うっかり電話した専門家に延々と講義されて参ったこともあるし(涙)。
でも歴史の授業中に居眠りしてた人は歴史ドキュメンタリーなぞ見ない?
考えすぎかも。

