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映像翻訳の現場から コラム第7回 「ヨムって誰?」

先日、中華街を訪れて熱々の肉まんを堪能してきた。普通のものより一回り大きくボリューム満点だ。この「肉まん」だが、関西方面では「豚まん」と言う。最初に聞いた時は非常に違和感があった。僕は関東の人間なので「ぶた」が強調されて響きが悪いと思ったのだ――あくまで印象ですよ。でも、まさに強調するために「豚まん」と言うのだと後で知った。関西圏で肉と言えば牛肉を指すのだ。だから中身をはっきりさせるために「豚まん」と言う。

これを知って妙に納得した。小さい頃、家でステーキと言えば豚肉であり、牛肉はすき焼きぐらいしか食べなかった記憶がある。だからだろうか、今は死語になったが「ビフテキ」という言葉がありましたね。ビーフステーキの略。わざわざ「ビーフ」と断る必要があったのではないだろうか。当時、僕が食べていた豚肉のステーキは、今ではポークソテーと言う。

文化圏によって言葉が変わるというのはとても面白い。文化の違いと言えばアメリカ映画である。移民の国のアメリカでは、出身民族の違いからすれ違いが起きることがよくあり、それを映画のネタにすることも多い。

以前、ボビー・ダーリンという歌手の伝記映画をやったのだが、彼が初めてレコーディング・スタジオを訪れると、1週間の予定表が掲げてある。月曜、何時から○○と歌手の名前が入っているのだが、金曜日に「ヨム・キプール」と書いてあり、ボビーの仲間が「ヨム・キプールって誰だ?」と訊く場面があった。ヨム・キプールとはユダヤ教の贖罪の日のこと。ユダヤ教徒は労働を始め飲食、入浴など一切の労働を禁じられる。つまり、金曜日は贖罪日につきスタジオは休みだと言っているのだ。スタジオのオーナーはユダヤ系、対するボビーたちはイタリア系、だから贖罪日のことをヨム・キプールという人名だと思い、そんなアーティストは知らないぞと言っているのです。

民族の違いが対立を生む場合もある。例えば同じイギリス人同士で妙に反発し合う2人がいて、出自を見ると片方がアイルランド系なのだ。詳しくは書かないが、その昔イギリス(当時はイングランド)はアイルランドを併合した歴史があり、特にアイルランドはイギリスを快く思っていない過去がある。作品によっては2人の出自を言わないこともあるが、名前を見れば察しがつく。名字にMc(またはMac)やO'が付いたら、まずアイルランド系だ。マクドナルド、マッカーサーとかオニール、オブライエンといった名前がそうだ――Mc、Macについてはスコットランド系の場合もあるが。先日来日したポール・マッカートニーもアイルランド系のイギリス人ですね。

ストーリーを追ったり派手なアクションを楽しむのは映画の本筋なのだが、民族というキーワードで映画を見直すのも面白い。文化の差に気づいたり、時には物語の理解が少しだけ深まることもある。そこまで難しいことを考えなくても、グラーシュってうまそうだとか、今度シャンディ・ガフを飲んでみようと思いながら映画を見るのも楽しいものだ。

執筆者:風間綾平

字幕翻訳家 大手制作会社のスタッフとして字幕演出に携わりながら1989年に字幕翻訳デビュー。 代表作は「少林サッカー」「ビートルズ・アンソロジー」「アンダーワールド」 「アース」「アドレナリン」 「スペル」「LOST」「イコライザー」「ナイトクローラー」「スティーブ・ジョブズ」「オデッセイ」など多数。 近年は、映像翻訳学校ワイズ・インフィニティにて講師を務め、後進の指導を行っている。

 

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